水引アート工房 清雅舎のホームページにようこそ

伝統を重んじながらより洗練された芸術性の高い製品を一筋一筋丹精を込めて作り上げ

一筋ずつ丹精込めて糸を結んだ「金の鳳凰」を葬儀空間へ

金の鳳凰を葬儀空間へ

起業の経緯 <終わりの始まり>
の鳳凰を葬儀空間へ~

平成26年4月に母を亡くしました。
80代も半ばを過ぎて、徐々に介護が必要となり、11年間寄り添って生きてきました。
満で95歳でしたから、年に不足があるとは言えないのかもしれません。しかし、家族にとってはまだまだ元気で長生きしてほしかったというのが本音です。
別れの日がいつかは来るとわかっていても、悲しくて寂しくて、ただ葬儀という儀式を仏式で執り行わなければならないという思いだけが、かろうじて私を支えていました。

他に家族はおりませんから、夜は一人になりました。

母をどうやって送ったらよいか?
一生懸命考えました。棺には何を入れよう?
嗜んでいた短歌をまとめた歌集、これを着せてと言っていたお気に入りの洋服と作務衣。
どちらも母の姉の形見の着物から作ったものでした。
私が水引で作ったコサージュと栞も入れました。
忘れてはならないのはお煎茶の葉、これは戦時中おばあちゃんが亡くなった時に母がやはりお棺に入れてあげたものでした。
あんこが好きだったのでお煎茶に合う和菓子も入れました。

大好きなお餅も・・・。

最後のプレゼントとなった綺麗な若狭塗のお箸も入れました。
遺影は11年前、函館の五稜郭公園に桜が咲く頃、桜とタワーをバックに写した一枚。A4サイズにしてフレームに入れた時には「これ、遺影だね」と満足そうに微笑んでいた母。
それを目にした人は誰しも「いい写真ね。私も写しておかなければ」と口にしていました。

「もっともっと何かしてあげたい」

その時、母と過ごした日常の光景が瞼に浮かびました。
水引細工を作っていた私の傍で、作品の出来上がりをいつも楽しみにしていた母のことを思い出したのです。
私は箱の中から一番大きなサイズの金の鳳凰を取り出しました。
金は仏様の色、光の色です。中国で生まれた想像上の霊鳥である鳳凰は慶び事にも使われますが、仏教とも関わりの深い鳥です。

それをお棺の上に置いてみました。

狭い自宅空間に何とも荘厳な雰囲気が醸し出され、次第に心が落ちついてきまた。
翌日は祭壇が運び込まれお軸の掛かった白布の周りにも小さな鳳凰を飛ばしました。
ありがたいことにご近所とごく親しい方々にご弔問、ご会葬をいただきましたが鳳凰を目にした皆さんが、見たこともない空間に驚かれると同時に「お母さん、いいところに行けるね。良かったね。」と仰り、お寺様もお通夜のご法話の中で触れて下さいました。

それから数日後、幼馴染からお母さんのために鳳凰を作ってほしいという一本の電話が入りました。
元気なうちにお母様に見せて、別れの時がきたらお棺に飾りたいというのでびっくりしましたが、その時はっきりと金の鳳凰には人を癒す力があるのだと感じました。

その力とは水引の「結ぶ」という行為が、仏と衆生の精神的結びつきを意味しているからにほかなりません。
また「結び」は一つの完成した新しい姿の誕生を意味しています。
人の死もそれで終わりではなく、生あるものが明日をどう生きねばならないか?を教える通過儀礼なのだと、大切な人を見送って改めて考えさせられたのでした。

私を育んでくれた函館の地で生まれた石菖流水引細工をもっと広めたい、伝えたいという気持ちと生涯の仕事にしようと考えた私の原点は母の葬儀にあります。
社名の「清雅」は母の戒名から名付けたものです。
水引のイメージにピッタリ符合することはご仏縁としか思えません。

水引アート 桐熨斗

会社概要

会社概要
会社名
合資会社 水引アート工房 清雅舎
設立
平成26年7月10日
代表
今泉 香織
企画
プロデュース
椿 典子

業務内容
  1. 水引細工石菖流の技能者の手による水引細工作品の製造及び販売
  2. 上記に附帯する一切の業務
本社
〒042-0942
北海道函館市柏木町7番19号
TEL.0138-53-8171
FAX.0138-53-8171
ウェブ
サイト
http://seigasha.co.jp

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代表のプロフィール

代表のプロフィール
  • 北海道桧山郡江差町に生まれる
  • 札幌市立藻岩高等学校卒業
  • 立命館大学文学部史学科西洋史専攻卒業
  • 同校に於いて学芸員資格取得
  • 1998年~2003年
    京都の株式会社公益社に勤務
志野流香道松隠会 会員

NPO法人 小笠原流・小笠原教場 会員